テストする人。

ソフトウェアテストってわかんない。テストとQAのゆるゆるブログ。

”はじめてのソフトウェアテスト”を3年やってみた

2年ほど前から、この時期にソフトウェアテストの初心者セミナーという
ワークと座学をおこなっています。

www.slideshare.net

2017年 29名
2016年 39名
2015年 27名

とこれまで95名に参加いただいています。
また、このセミナーは、わたしたちの会社の新卒全員(技術部もマーケも全員)と
中途社員にも受けてもらっているので、のべ100名以上に参加いただいています。

なぜやるのか

社内の新人教育をしてほしいとマネージャーから依頼がきたことがきっかけでした。
その時に、わたしがやっているFBグループに相談したところ、色々なアイディアをいただきました。

そこで社内資料を作ったのですが、わたしたちの会社に特化したものではないものが作成できたことと
FBグループで社外のかたから色々知見を得たフィードバックという意味もあって
社外でもセミナーをするようになりました。

(社内は業務時間内にやっていますが、内容は一緒です)

参加者の声

このセミナーでは、一番最後にYWTを使ったふりかえりとセミナーアンケートを実施しています。
社外向けセミナーは、YWT(今回はTだけ)を全員に発表してもらうようにしていますが
とってもいいなーって思っています。

YWTとは

YWTとは、ふりかえりをするためのフレームワークです。

Y(やったこと)
W(わかったこと)
T(次にやること)

を書く、今回のようなセミナーでとても有効なのではないかなーと思って取り入れています。
YWTのTは「次にやること」なんですが、私はTRYしたいこと として書いてもらいました。間違って覚えていたというのもある・・・ごめんなさい

私は、WACATEというテストのワークショップで初めて教えていただきました。

満足度・理解度

5段階評価で今回
 満足度 4.6  理解度 4.7
をいただきました!やったね!わーいわーい:)

参加者のTRY

最後15分くらいで、参加者全員のTRYを発表していただきました。
これだけであと2時間くらい話せる気がしました。
興味深いものをいくつかご紹介します。

本を買いたい。おすすめがあれば教えて欲しい

 以下のブログが参考になるかなと思います。

kyon-mm.hatenablog.com

mhlyc.hatenablog.com

yoshikiito.net

私が最初に買ったのが

この辺なのですが、293とかは、読んでもなんか当たり前のことが書いてある気がして
よくわかりませんでした。

「今しているテストがうまくなる魔法の本」を欲しがったのだろうなと思っています。
「これさえすればバグが出せるテスト実施の本」を欲しがったのかもしれません。

これらのどれも未だに必要な本で、特に293は、今色々言語化したいなーと思っていることが
まさに書いてあってびっくりするので、
テストの勉強をして数年だったり、テストマネージャーなどテストを他の人とやっている、教えている人には
そうそうそう という内容が書いてあるのでお勧めです。

ドリル本を買おうと思う←数名いました

ちょっとゴリ推ししたところもありますが^^;
やっぱり日本で売っている「テスト技法」だけが凝縮された本なのでおススメしています。

ただ、きっと技法だけが理解できても、業務にうまく適応できなくて挫折するかもしれません。
とお伝えしています。
そうじゃない優秀な方も多いと思いますが、
私は結構使いどころがわからず戸惑いました。

そのときに「使えない」と思うか「使い方を工夫する」「つかいどころが分かった時にさくっと使いだす」ために必要なので 諦めないでください。

あと、使い続けないと忘れるし、下手なままです・・・

JSTQBについて調べようと思う

JSTQBシラバスのPDFは無料ダウンロードできるので、是非おすすめします。
今回シラバスの中から紹介したものも多くありますが、 他社や社外で話をする場合、相手が何の話をしているか、JSTQBを知っていると言葉のずれが減って、会話が楽になります。
「テスト」といっても、さまざまな「テスト」があって、 そのせいで会話がかみ合わないことをできるだけ減らせるといいなー

みたいな話をしました。 また、試験もあるけど、まずはシラバスを読んでみるといいよ!無料だし! とお伝えしています。

みんなも読んでみるといいよ!

社内に今日のことを持ち帰って共有する

さっそく共有してくれるのって嬉しいです!

また、私の場合は”めんどくさい”とか”別に外でも中でもよくない?”て思ったものは どちらにも共有するようにしています。
このブログもそうですし、わかんないのは社内や社外(Twitterが多い)で聴いてしまいます。

自分が楽でプレッシャーにならない方法を模索して欲しいと思います。

もちろん、社外秘じゃないことであれば。

武装して上司と闘う

 個人の好みもあるんだろうけど、「闘う」ってあんまりよくないような気がしています。
 私にはあわないかなぁと。
 わたしたちの仕事は、エンジニアのやったものに対して、ダメだったところや、カイゼンした方がいいところ
 エンジニアにとって、つらいところを指摘することが多いお仕事です。

 そのときに、戦うモード(上司はエンジニア側ではないだろうから、この例は変かもしれないけど)なのは、お互いが消耗するんじゃないかなと思います。
 できれば、テストする人もエンジニアも、使うお客さま全員が
 しあわせになれる方法を考えたほうがいいなーと思いました。

無駄なテストをしていないか見直そうと思う

 今回「テストケースってこんなに考えないといけないのね」のワークをしたので、「減らす」TRYが出てきたのはびっくりしたしとても嬉しかったです。
 テストはどうしても増える傾向にあると思うので、
 減らすためには工夫しないといけないと気付いてもらえたのは本当にうれしいです。
 

いつもしているテストケースは何のためにしているか考えてみる

 すでにテストケースが用意されているところだそうで、
 「今の自分たちがやっていることが何なのかふりかえる」って気づくの本当にすごいと思いました。
 テストの意図がわかるようになると、もっと工夫するところがでるし
 意味のないテストにイライラするかもしれないし
 ここから、今回キーワードに出していない「テスト設計」に目覚めるかもしれません。すごいなぁ。
 とってもワクワクしました。

諸事情で社外活動控えていたけど、やっぱり社外の人と触れる機会は必要だなと思った

 数年ぶりに私のテスト勉強会にきてくださった方です。(他にも某研究室の元学生さんが5年ぶりに後輩つれてやってきてくれました)
 それぞれ諸事情もあるし、疲れることもあるので、自分のペースで社外にでるといいよ。とお伝えしました。
 疲れたら外にでない日があってもいいと思う。

 でも社外はやっぱり刺激的だし、できるだけ楽しい気持ちで帰ってもらえるとうれしいので、
 私もがんばろうと思いました:)

プレゼンや話し方も勉強になった。がんばろうと思う

 社内でずーっとプレゼン最下位グループにいた私なので、とってもうれしいです!
 やればできるようになるし、
 今までみてきた諸先輩方のセッションで、ぐっときたところをどんどん取り入れたり意識して
 たくさん伝えられたらいいなぁ。
 

3年やってこっそり気づいていたこと

事前に予習をしている人はほぼ0

SNSに慣れていないとかもあるのかもしれませんが、このセミナーの資料は毎年公開しています。
また、申込み画面にアジェンダを記載しているのですが、
「マイヤーズの三角形問題」を予習している人がいませんでした。このセミナーと関係なく知ってる方はもちろんいらっしゃるんですが

マイヤーズの三角形問題

と記載しているけど、事前に中々調べないもんだなーと思っています。もちろん調べてくる必要はないようにワークをしています。
調べてくるときっと面白くないかも

セミナーを広く浅くするか、もっと掘り下げるか

毎年「もっと深く教えて欲しかった」や「最後が駆け足だった」というような声をいただきます。
今回の目標は「さまざまなキーワードや用語がある、テストの存在を知ってもらいたい」ということがあって
さらっとお伝えするようにしています。

1つ1つ本当に勉強しようとすると、それだけで1テーマになると思うので難しいのですが
来年またちょっと工夫できたらいいかもしれないなぁと思います。

このセミナーを3年やってきて

自分がテストの勉強している内容を、少しだけ体系的に、
自分が外に出るようになって「テスト楽しい」をセミナーで体験して欲しい
自分が色々シンポジウムとかに参加して得た「楽しさ」「発表スタイル」を感じて欲しい
せっかくなので社内だけじゃなくて、社外にも伝えたい

色々想いはあるんですが(書いてて気づいた)
うまく伝えられるようになってきたみたいです。
(それでも初年度の「感動しました」は、いただけてないので、エモさが減ってきたのかもしれない。
 でも、誤解のないような説明はずいぶんうまくなってきたんじゃないかなぁ)

このセミナーではいきなり武器を渡すことはできなくて(カタログを見せてるのに近いのかな)
テストって楽しいのかもしれない
自分たちも何かできるようになるかもしれない
テストも勉強することがあるのか

とかをちょっとだけ、本当にはじめの一歩を踏み出せてもらえるといいなーと思っています。

また、悩みを聞いて「これはこう」「これはそうじゃない?」とか
本を読んでつまづく気持ちとか
この数年で色んな人と色んな話や経験をしたことが活かせていると思いました。

わたしは今のところ「ソルジャー」「エキスパート」みたいなところにはいなくて
多くの人にテストの子とを知ってもらったり
そこから活躍する人たちを発掘したりするのが楽しいみたいなのと

凡人だからこそ、伝えられることとか、わかりあえることがあると思うので
これからも続けたいなぁと思います。

2023.03 追記

3年前に現在の所属企業でも同じワークショップをしたときに. 英語版のスライドを作成してもらいました。

Speaker Deckの方が使いやすいと思うので、日本語版もあげなおします。

Speaker Deck日本語版はこちら

speakerdeck.com

Speker Deck English version here.

speakerdeck.com